精油とは
1. 精油の性質
精油(せいゆ)とは、植物から抽出された高濃度の揮発性の芳香成分を含む油のことです。エッセンシャルオイルとも呼ばれ、以下のような特性を持ちます。
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高濃度
精油は非常に濃縮されており、少量でも強力な効果を発揮します。そのため、通常はキャリア(基材)で希釈して使用します。 -
揮発性
精油は揮発性が高く、空気中に拡散しやすい性質があります。この特性を利用して、ディフューザーで香りを拡散させることが一般的です。 -
多様な効果
精油は、抗菌、抗炎症、リラクゼーション、免疫強化など、薬理効果の集合体です。各精油にはそれぞれ異なる成分が含まれ、それが特有の効果をもたらします。
2. 精油の選び方
精油を選ぶ際には、以下の点に注意することが重要です。
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品質
純粋で添加物のない100%ピュアな精油を選びましょう。専門店で購入しましょう。 -
成分表示
精油のラベルには、学名(ラテン名)、抽出部位、抽出方法、産地、使用期限、ロット番号が明記されているものを選びましょう。 -
トレサビリティー(流通経路が明確な)精油を選びましょう。
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遮光瓶に入った、ドロッパーが世界規格の物を選びましょう。精油は、光と熱の影響を受けやすく、劣化しやすくなりますので、遮光瓶に入った精油を選びましょう。精油のドロッパーは、国際規格があり、1滴0,05mlとなっております。正しい濃度で使用にあたって、重要な事です。
3. 精油の抽出方法
精油は主に以下の方法で植物から抽出されます。
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水蒸気蒸留法
精油を抽出する中で、最も一般的な抽出法です。植物を蒸し器の様な釜に入れ、水を沸騰した植物に釜に入れ、釜の下の水を温め、植物の芳香成分が蒸気となり、その蒸気が管を通って冷却すると、液体に戻ります。液体の部分が、芳香蒸留水、液体の上部に浮いている油(または下層に沈んでいる)が精油となります。 -
圧搾法
主に柑橘系の果皮から精油を機械的に圧搾して抽出する方法です。圧搾法は、熱を加えない抽出法なので、植物そのももの自然な香りとなりますが、他の方法の抽出法より、酸化、劣化しやすい、デメリットもあります。 -
溶剤抽出法
溶剤を使用して植物から芳香成分を抽出する方法です。香りが強い花(例:ジャスミン)に適しており、アブソリュートと呼ばれる高濃度の精油が得られ、採油量も増えます。 -
二酸化炭素抽出法
高圧下で二酸化炭素を使って抽出する方法で、溶剤を使わないため、純度が高く品質の良い精油が得られますが、装置が高価な為、一般的ではありません。
4. 精油の扱い方
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注意事項
精油は非常に濃縮された天然の成分を含んでいるため、取り扱いにはいくつかの注意が必要です-
希釈の重要性
精油は直接肌に塗布せず、必ずキャリア(基材)で希釈して使用します。高濃度の精油は肌を刺激する可能性があります。 -
パッチテスト
新しい精油を使用する前に、パッチテストを行い、アレルギー反応がないか確認します。少量を希釈し、腕の内側に塗布して24時間観察します。 -
内服の禁止
精油は内服しないでください。飲み込むと毒性を発揮する場合があり、専門家の指導がない限り内服はやめましょう。 -
妊娠中・授乳中の使用
一部の精油は妊娠中や授乳中には慎重に行いましょう。専門家に相談して安全な精油を使用してください。 -
乳幼児や高齢者、既往症のある方ペットへの配慮
上記の方に対して精油を使用する場合は特に注意が必要です。アロマセラピーを実施する際は、医師かアロマセラピーの専門家に相談しましょう。安全性が確認された精油を低濃度で使用し、誤飲や誤用に十分に注意しましょう。
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保存方法
精油は光や熱、空気に敏感で、その品質を保つために適切に保存しましょう。-
遮光瓶に保存
精油は、光の吸収を避ける為に、遮光瓶(アンバー色やコバルトブルーのガラス瓶)に入っています。 -
涼しく暗い場所
精油は涼しく暗い場所に保管します。光を遮断する蓋付きの、木箱など保管します。 -
蓋をしっかり閉める
精油は揮発性が高いため、使用後はすぐに蓋をしっかりと閉めて立てて保存します。空気に触れると酸化しやすくなります。 -
子供の手の届かない場所に保管
精油は誤飲を防ぐために、子供に手の届かない場所に保管します。 -
火気に注意
精油は引火します。火気の近くでは使用は避けましょう。
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使用期限
精油にも使用期限があり、品質を保つためには期限内に使用することが重要です。-
一般的な使用期限
一度開封した精油は開封後1年が使用期限とされていますが、柑橘系の精油は酸化しやすいため、6ヶ月が目安です。 -
購入後の保管
精油を購入したらすぐに開封しない場合でも、涼しく暗い場所に保存して品質を維持します。
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