アロマセラピーとは
アロマセラピーとは、植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)を使用して、心身の健康とリラクゼーションを促進する自然療法です。精油は、花、葉、茎、根、果皮などから抽出された、高濃度の揮発性の芳香分子です。その芳香成分が小さく、鼻から入った香りが、本能、感情を司る大脳辺縁系に素早く伝わりリラックスしたり、リフレッシュしたり理性が働く前に本能に働きかけます。皮膚塗布をすると、皮膚吸収され真皮にまで到達し、血液の中に入り全身の各器官に働きかけます。
アロマとは芳香。セラピーとは療法と訳すことができ、日本語では(芳香療法)と訳されます。
20世紀の初め、フランスの科学者ルネ=ガットフォセが研究中の事故で火傷を負い、患部をラベンダーの精油を浸した所、完治したことをきっかけに研究を始め、後にこれを、アロマセラピーと命名しました。
アロマそのものの歴史となるのが、太古までさかのぼります。
紀元前より人々は、植物の特別な力を知り、生活の中で当たり前のように利用してきたのです。
例えば、生姜を食べてお腹の調子がよくなったり、ペパーミントの香りをかいでスッキリして頭の痛みが治まった様な経験があるでしょう。それがまさしくアロマセラピーなのです。
アロマセラピーのメカニズム
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鼻から脳へ
アロマセラピーの最も直接的な経路は、鼻から脳への伝達です。精油の香り分子が鼻腔に入ると、嗅覚受容体によって捉えられます。この信号は嗅神経を通じて脳の嗅球に送られ、さらに大脳辺縁系に伝わります。大脳辺縁系は感情や記憶を司る海馬、ホルモン、免疫系に働きかけます。 -
呼吸器系から全身へ
香り分子は呼吸によって喉を通り気管、肺に吸い込まれ、肺胞を通じて血液に取り込まれます。血流に乗って全身を巡ることで、精油の成分は体全体に作用します。最終的に各器官で分解されて体外に排出されます。 -
皮膚から全身へ
精油を希釈してマッサージやバスに使用することで、精油は油溶性である為、表皮にとどまらず、真皮にまで到達し、血管内に入ります。皮膚は多くの血管と結びついており、吸収された成分は血流に乗って全身に運ばれます。特にマッサージは、血行促進し、更に作用を高めます。
アロマセラピーとアロマテラピーの違い
「アロマセラピー」と「アロマテラピー」の違いは、フランス語読みで、アロマテラピー。英語読みでアロマセラピーと言います。
フランスでは、現在でも精油は医薬品として扱われ、医師の処方により、経口投与、座薬等、治療を目的として使用されてします。1960年代に入り、治療目的で精油を使用するのではなく、リラクゼーション、美容、マッサージにと生活の中で使用されています。
日本では、まだアロマに関する歴史が浅く、精油は雑貨として取り扱われている為、フランスとは異なった認識で広がっています。 しかし、精油を焚いて香りを楽しんだり、セルフトリートメントに利用したり、楽しく健やかに過ごせる工夫する人が増えてきています。